今回は、中学生の皆さんにとって大切なことをお話したいと思います。
それは、主体性と自主性の違いについてです。
主体性と自主性はよく似た言葉ですが、実は意味が異なります。では、それぞれの定義を見てみましょう。
主体性とは、自分の考えや感情を持ち、自分で判断して行動する能力のことです。自分の目標や価値観を明確にし、それに向かって努力することができます。他人の意見や環境に流されず、自分の信念を貫くことができます。
主体性とは、「何をすべきか決められていないこと」に対し、自分の意志・判断により自ら責任をもって行動する態度や性質のこと。
自主性とは、他人から指示や命令を受けなくても、自分で考えて行動する能力のことです。自分の責任や役割を認識し、それに応じて必要なことをすることができます。他人に頼らず、自分で問題を解決することができます。
自主性とは、予め決められたことを自ら率先して行動する態度や性質のことでもあります。
主体性はルールに縛られず、必要とされる行動を率先してとることを指します。行動の前に決め事があるのが自主性、無いのが主体性と区別すると分かりやすいです。
主体性と自主性の違いは、何に対して行動するかという点にあります。主体性は自分の内面に対して行動する能力であり、自主性は外部の状況に対して行動する能力です。例えば、サッカーで言えば、
- 主体性が高い選手は、自分がどんなプレイヤーになりたいかを明確にし、それに合った練習や勉強を積極的に行います。自分の強みや弱みを客観的に把握し、改善策を考えます。試合では、自分の役割や戦術を理解し、チームのために最善を尽くします。
- 自主性が高い選手は、コーチや先輩から指示されなくても、自分で練習メニューやスケジュールを決めて実行します。自分の課題や目標を設定し、それに向けて計画的に取り組みます。試合では、状況や相手に応じて臨機応変に対応します。
これらの例だけではなく、他にも主体性と自主性が必要な場面はたくさんあります。例えば、
- 主体性が高い選手は、試合後に自分のプレーを振り返り、良かった点や悪かった点を分析します。また、チームメイトやコーチからフィードバックをもらって受け入れます。そして、次の試合に向けて改善点を明確にします。
- 自主性が高い選手は、試合前に自分のコンディションや気持ちをチェックし、準備を整えます。また、チームメイトやコーチとコミュニケーションを取って情報交換します。そして、試合中にリーダーシップを発揮します。
主体性と自主性はどちらも大切な能力ですが、どちらか一方だけでは不十分です。主体性だけ高くても、周りの状況や人に合わせることができなければ、チームプレイができません。自主性だけ高くても、自分の目指す方向や理想がなければ、成長が止まってしまいます。
中学生の皆さんはこれから大人になるための準備期間です。サッカーだけでなく、勉強や人間関係でも、主体性と自主性をバランスよく身につけることが必要です。そのためには、
- 自分の考えや感情を素直に表現すること
- 他人の意見や視点を尊重して聞くこと
- 自分の目標や価値観を見つけること
- 自分の責任や役割を果たすこと
- 自分で問題を解決する方法を探すこと
などが大切です。
私はサッカー指導者として、関わっているみんなが主体性と自主性を高めるお手伝いができれば嬉しいです。一緒に頑張りましょう!