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第3回 人生の偏差値
2025-12-12 09:00:03
RoboGato Jr Futsal Club(ロボガト)

子どもの本当の才能は目に見える評価だけでは測れない。

子どもと向き合っていると、

どうしても「見える評価」に意識が向きやすい。


通知表の数字、模試の偏差値、テストの点数。

これらは分かりやすく、比較もしやすい。

だからこそ、保護者にとって安心材料にもなる。


けれど、子どもの本当の才能は、

そういった数字で測れる評価の中にすべて収まるだろうか。

指導の現場にいると、そこだけでは見えてこない個性が必ず現れる。


例えば


練習では目立たなかった選手が、

ある日、仲間を支える一言でチーム全体の雰囲気を変えてしまうことがある。

技術よりも難しいことに挑戦している瞬間であり、その子の勇気に驚かされたことを今でも覚えている。


勉強では苦戦している子が、

好きな分野になると信じられないほどの集中力を発揮することもある。


周りより成長がゆっくりでも、人一倍コツコツと積み重ね、気づけば周りを追い抜いていく子もいる。


道具を大切に扱い、いつも片付けを率先的に行う子。こうした行動力や誠実さも、数字には表れにくい大切な力だ。


こうした“数字には反映されにくい力”こそ、

その子の未来を大きく支える土台になっていく。


しかし残念ながら、

これらの力は通知表にも偏差値にも書かれない。

目に見える評価の裏側にある大切な部分が、

つい見落とされてしまうことがある。


実際、子どもたちの成長で重要なのは、

数値ではなく 「変化の方向」 だと感じている。


昨日より少し前に進んだのか。

苦手なことに向き合う姿勢が育っているのか。

自分で考えて選ぼうとする意志が芽生えているのか。


これらは目に見えないし、グラフにも表れない。

けれど、将来の人生では大きな差を生む。


だからこそ、

子どもの価値を“点数の高さ”だけで判断しない視点を

大人が持つことが非常に大切だと思っている。


前回も触れたように、

学歴や偏差値を目指すこと自体が悪いわけではない。

そこを目標に頑張る経験は、間違いなく力になる。

ただ、それだけが子どもの価値ではないことを忘れたくない。


子どもの才能は、

「見える部分」と「見えない部分」の両方でできている。


もし数字が思うように伸びなくても、

その裏側にある小さな成長に気づける指導者でありたい。

そして、子どもが持っている“目に見えない力”を

未来につながる本当の武器として育てていきたい。


それが、偏差値だけでは測れない「本質」を大事にするということだと思う。


指導者としても日々勉強の毎日だが、

そこに留まらず変化を繰り返していくことの大切さを、

子どもたちから学ばせてもらっている。

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