7月15日(月)海の日。武蔵コーポレーション杯2024第16ブロックを3勝1分無敗で勝ち進んできた大宮西は、梅雨空のもと1stステージ最終節となるジャックとの対戦を迎えた。
2学年上の朔太郎パイセンも駆けつけ、士気が上がる。大好きなパイセンの前でかっこいい姿を見せたい‥
ブロック一位通過が期待される中、負けられない戦いの火ぶたが切られた。前半開始早々、前からボールを獲りにいくも、なかなか獲りきることができない。最終ラインで回収したボールも前線へなかなかつながらない。小雨が降り始める中、思うようにプレーをさせてもらえない時間が続く。
そして前半2分、悪い予感が的中する。自陣ペナルティエリア付近で相手にFKを与えてしまう。直接狙った鋭いシュートをGK淩駕が弾くも、ルーズボールを押し込まれ相手に先制を許してしまう。
痛い失点であったが、その直後、絢斗のショートカウンターをきっかけに、だんだん本来の力が見え始める。龍幸が縦突破からセンタリングをあげるなど、相手のゴールが近づき始めてきた前半8分、その時が訪れた。相手DFラインのパスを奪った絢斗が、キーパーとの1対1を冷静にゴールに流し込み、試合を振り出しに戻した。久しぶりのスピードを生かした絢斗のゴールが胸熱すぎる。
これを弾みに流れをつかむ大宮西。ルーズボールを拾い、攻撃へ転じる場面が増え始める。しかし前半11分、彰仁から伶旺への見事な斜めのパスが出るも、惜しくもゴールとはならない。続く前半13分、またしても相手DFラインのパスを奪った伶旺がセンタリングするも、シュートを打たせてもらえない。その後も、右サイドでボールを持った伶旺が細かいボールタッチから鮮やかにタッチライン間際までボールを運び、中にボールを入れるも、ゴールに届かない。
そんな中、前半終了間際、相手にコーナーキックを与えてしまう。これはまさか‥しかし、ここは威力不十分の相手シュートをGK淩駕が声を出してキャッチ。大きく蹴り出すとともに前半終了のホイッスル。ふぅ。
同点で迎えた運命の後半戦。果たしてどちらのチームに勝利の女神は微笑むのか。そのとき、どこからともなく、懐かしいあのリズムが聴こえてきた。
ドンドットットッ‥
それもそのはず。今日は与野祭りで神輿が担がれていたのであ〜る。
このリズムに鼓動を高鳴らせたのは大宮西。後半開始早々、相手陣内でのプレーが続く。DFラインの設定も高く、ピッチ上のほぼ全員が相手陣内にいる。奏汰の中央突破からのシュートや光汰のショートカウンター、絢斗の体を張ったポストプレー、GK淩駕のロングフィードなど、前半には見られなかった"自由“なプレーが生まれ始める。
時は満ちた。後半9分、彰仁のコーナーキックに奏汰が飛び込み、頭で合わせる。しかし、これは惜しくもキーパーに弾かれてしまう。全員が一瞬下を向きかけたその時、ファーサイドで静かに目を光らせていた龍幸がいた。このこぼれ球に反応する。ボールはわずかに外へ逃げていく。右足で合わせるのは難しい。ルーズボールを逆足でコントロールできるのか。ボールが40cmほど弾んで落ちる、その刹那。龍幸は左を選択した。それもインステップ。放たれたボールは鋭くゴールネットに突き刺さった!
歓喜に沸く大宮西は、さらに勢いを増していく。勝ち越しゴールを決めた龍幸に変えて陽汰を投入。1列あがった璃来がリズムに変化をつけ、股抜きドリブルやワンツーなど、セクシーフットボールでチャンスを演出する。ラスト5分で投入された凛太郎。が璃来に息を合わせ、センタリングをゴール目の前でトラップ。周りの足が止まる。いや、時間が止まる。これは‥ノロノロの実‥?ゆっくりと落ちてゆくボールは凛太郎。の足に当たると同時に加速しゴール左上に突き刺さる。後輩の活躍に感極まる。
2点リードした展開となり、春馬を投入すると、彰仁が溜めて出した絶妙なスルーパスを絢斗が折り返し、早速春馬がゴールに襲いかかる。これは惜しくも防がれる。後半終了間際、本大会絶好調の日々記がピッチに立つも、試合終了を告げるホイッスル。スコアは3-1。前半は苦戦を強いられた大宮西が、懐かしいあのリズムを取り戻し勝利を手にした。
そうか、今日は海の日。勝利を掴むのは、この海(ピッチ)で一番自由なやつだったのか。
この高鳴る鼓動のリズムを忘れず、豪傑どものうごめく2ndステージでも躍進してほしい。
本日、真剣勝負をしていただいたジャックさん、スリッピーなピッチコンディションの中公平に試合を進めていただいたレフェリーの皆さん、大会運営に携わっていただいた皆様、選手を鼓舞してくださった監督をはじめコーチの皆様、朔太郎パイセンをはじめ選手を応援してくださった皆様、次に繋がる貴重な経験を積ませていただき、本当にありがとうございました。